広島県の水産会社マルト水産による、岡山県瀬戸内市の邑久町漁協が育てる、垂下式かき漁業のMSC認証審査を行っています。認証審査会社はイギリスに本社をもつコントロールユニオンUKです。
2018年から始まった予備審査、2020年の本審査の原則2と3の審査から担当しています。2025年は更新審査を行いました。
瀬戸内海は漁業資源の減少や埋め立てによる干潟の減少などが進み、長期的に持続的な牡蠣漁業をしていくためには、生態系を再生し回復してゆくことも重要です。この漁業では、過密養殖を避け、明確な漁業のルールを漁協内に敷き定期的な話し合いで管理を確認するなど、すでにたくさんの取り組みが行われていました。しかし、当初予備審査をしたところ、もうすこし幅広い面における生態系への影響を考慮するという面で長期的な改善を行うことが認証取得と維持の条件となりました。
こういった改善条件をなくすために継続する改善活動は、漁業を長期的に安定した漁獲を得るための支えとなっていきます。また、国連が定める持続的な漁業の基準をあてはめてあるMSCの基準に沿って資源・生態系・管理のさまざまな側面から漁業を徹底的に審査することで、漁業が国際的な観点から、自らの管理状態をよく理解することにつながります。
邑久町漁業協同組合は、予備審査で見えた課題に向き合い、漁場の海底生態調査や、「命のゆりかご」と言われる藻場「アマモ場」の回復を促進する保全活動を強化したり、地域に生息する日本が指定する絶滅危惧種である、イルカの一種の「スナメリ」のモニタリングを行うなど、地域の生態系との共存を目指しました。
また、漁協独自の自主規定を策定することで、岡山県の公的な”かき漁場管理協定”から一歩進んだ管理を行い、持続的な漁場管理を積極的に進めています。
MSC認証をきっかけに邑久町漁協では、組合長のリーダーシップのもと、認証対象の牡蠣を生産する若手の漁業者が「MSCチーム」を結成させ、チームで改善作業に当たっています。改善の実施、報告、確認のサイクルが明確になる過程で、漁業者が自ら知識を増やして独自の工夫をするなどのよい循環ができています。国際認証を得ることや明確な目標ができたことで、若手漁業者のやる気もアップし、漁協に好循環が生まれています。
邑久町漁協にMSC認証の取得を打診し、認証取得までの困難な道のりを支えたのは、地域の水産加工会社である株式会社マルト水産です。マルト水産が大手のイオン等のスーパーマーケットと連携し、MSC認証にとりくむ漁業から生産された水産物の調達にコミットメントを持つことで、これらの漁業改善を支えています。
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